ビニール傘といえば、100円ショップやコンビニで売っている安い傘です。
どこにでも売っているコモディティで、安さや手軽さ重視で買う人が多いでしょう。そのため新たにビニール傘市場へ乗り込んでいこうという人はほぼいないでしょうが、考え方次第では十分売れる可能性があるのです。
みんなが無理だと思っているようなところにこそ、チャンスは転がっているものです。
逆転の発想/高級ビニール傘
ビニール傘は「安い」「壊れやすい」といった「常識」があるでしょう。だからこそ、この常識をあえてひっくり返すと面白いものができるのです。
トラディショナル・ウェザーウェアーの傘の場合、その価格は約10,000円です。
丈夫で厚手のビニール素材と竹を使い、ハンドル部分にはブランドロゴも入った高級なデザインです。
ビニール傘はカジュアル感が強いですが、それを逆転して上品でエレガントに仕上げているところがいいですね。
特に受けているのは「透明で折れにくい傘が欲しい」「人と違うおしゃれな傘が欲しい」といった人ですね。
「不」の解消こそが売れる要素
透明なビニール傘は外側が見えるため、安全性の高さを好んで使う人もいるでしょう。でも、すぐ壊れてしまうので買い直す「手間」がかかってしまいます。
すぐ捨てて物を粗末にすることに対して「罪悪感」という追加のマイナス感情を抱く人もいるでしょう。
そのような手間や罪悪感といった「不」を解消したのが丈夫なビニール傘なのです。
耐久性を高めると価格も高くなりますが、それでも買う人がいるのは「不」の解消を求めていた人がいたからです。
そして、価格が上がったことで大切な人への「プレゼント」としての需要も新たに生み出すことができました。
「感性価値」を引き上げる
さらに、「人と違うおしゃれな傘が欲しい」という人にも新たな選択肢となりました。
ビニールでない傘も買えるけれど、ファッション性を考えてあえてビニール傘を選びたい、ということです。
雨を防ぐ「機能」だけで見ていたら、他の傘とそれほど違いはないでしょう。
しかし単純な機能を超えた「ファッション性」「希少性」「自己表現」という「感性価値」には、高いお金を払っても欲しいと思う人がいるのです。
感性価値がわかる人にはちゃんと伝わり雑誌FUDGEにも取り上げられました。
「あえてのビニール傘」が今の時代らしい。それを牽引するのが《トラディショナル ウェザーウェア》のビニール傘【FUDGE GIRLのためのアクセサリークリップス】
常識があるからこそチャンスがある
表面的な機能ばかりを見ていたら、このような「感性価値」に気づくことはできません。だからチャンスがあるのです。
ビニール傘は、安い、壊れやすい、という常識に縛られている人たちが多いのも、売れる商品づくりのチャンスを増幅してくれています。
常識をひっくり返したり感性価値を追求したりすることで、売れる商品づくりの可能性を大きく広げることができますね。