「パンのサブスク」から考える/マーケティング思考入門

今回は「マーケティング思考」について、「パンの売り方」をテーマにマーケティング初心者の方へ向けて書いてみます。

それでは、さっそく始めます。

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【「売り方」を変えて顧客を創造する】

たとえ同じ商品でも「売り方」を変えるだけで新しい市場を作ることができ、新しいお客さんを増やすことができますね。

企業の目的は顧客の創造である。by ピーター・ドラッカー

「売り方」を変えて新しいお客さんを獲得することは、ドラッカーのいう「顧客の創造」の一つです。

その一つの例はパンのサブスクリプション「パンスク」ですね。

パンスクは、月額3,990円(税込・送料込み)で毎月パンが届く仕組みです。全国の複数のパン屋さんと提携しているので、毎月いろんなパンを楽しめますね。

パンは作ってすぐ冷凍されるので鮮度は落ちず、30日後でも焼き立てと同じくらいの味や香りを楽しめることが数字で確かめられているんです。

【「顧客を変える」だけで拡大する】

ただ、これだけだと楽天などでも売っている「パンの通販」とそこまで大きな違いはありません。

◆独自の冷凍技術で、家でも焼き立ての味と香りを楽しめる

◆毎月全国のいろんなパンを楽しめる

という強みはあるものの、これだけでは他社に真似されかねないし、お客さんが楽天など他にスイッチする可能性もあるでしょう。それに個人対象なので、顧客単価の上限が限られてしまいます。

だからこそ、パンのサブスクを「オフィス向け」にもすることで大きな拡大の可能性があるのです。

【パン=福利厚生】

「オフィス向け」にすることで、同じ配送先でも人数が多いので顧客単価は上がります。家庭向けに1ヶ月に10個届けるより、オフィス向けに1ヶ月に100個や200個届けた方がいいですね。

それに「福利厚生」という位置付けもいいですね。

会社が支払うにしても「福利厚生費」として経費で落とせるし、社員が買うのなら「福利厚生費」はかかりません。それに社員にとってはわざわざ外へ出かけなくともオフィス内で手軽に本格的なパンを楽しめます。

最近はオフィスで働く人は減ってはいるものの、オフィス向けパンのサブスクはまだまだ未開拓の需要だらけです。今後さらに拡大していくことでしょう。

【「外出が減った」からこそ売れる可能性】

そして、この「パンのサブスク」ですが、実は全国のパン屋さんを救う可能性もあるのです。

一般的なパン屋さんは地域密着なので商圏は限られます。でも冷凍して発送する「通販」となれば商圏は全国です。その気になれば海外だって可能です。

特に最近は外出が減って自宅で過ごす人が増えたので、「店舗」の売り上げは減っています。でも一方で、外出が減ったことで多くの商品の「通販」の売り上げは上がっています。

今このタイミングで「パンのサブスク」を始めるのは、ビジネスを拡大するめったいない大きな波に乗れる可能性があるのです。

「通販」「サブスクリプション」の2つのキーワードは、パン屋さんに限らずこれから店舗が大きく売り上げを増やすカギですね。

【休めるパン屋さん】

さらに、パン屋さんの場合は朝7時や8時に開店しようと思った場合、早朝2時や3時から準備しているところも多いでしょう。

でも売り上げの一部を通販から得られれば、早朝から作り始める必要はないのです。昼間に作って、それを冷凍して、夕方集荷に来る宅配業者に手渡せば済みます。

あるいは、昼間に作って、それを冷凍して、翌日の朝解凍して、それを店舗販売することもできるでしょう。

朝から売り始めるために、早朝から作り始める必要はないのです。

ネットでの販売やプロモーションも自分でやらなくとも、プラットフォームに任せて売ってもらうこともできるでしょう。

そうすれば生活にも時間的余裕ができるので、新しい商品を考えたり、あるいは仕事を休んで遊びに行ったりすることもできますね。

パンのサブスクは、パン屋さんのライフスタイルを根本から変えられる可能性があるのです。

【パンを売るのは「パン屋」である必要はない】

さらに、自分でパンを作らなくともパンの「企画」だけしてパンを売り出しヒット商品を作り全国に拡大することもできるでしょう。

それを可能にするのが「業務用パンの企画」ビジネスです。

特に私の場合は化粧品や健康食品の通販をやっているのでわかりますが、自分では「企画」だけして、商品の成分やパッケージや価格などを考え、製造は工場に依頼して、ウェブマーケティングの施策を考え実行すれば売れていきます。

これと同じことを「パン」で実現できるわけです。

【マーケティングで「売れるパン」を作れる時代】

マーケティングやブランディングがわかって企画ができ、さらにウェブマーケティングのプロモーションができれば「売れるパン」を作って全国販売できる可能性があるのです。

ただ、パンは化粧品などと違い一つ一つ手作りなので、あまり売れすぎると製造が追いつかなくなる可能性があります。

大手パンメーカーのように工場の機械で作ってしまったら、せっかくの手作りの良さがなくなります。

そのため、売れる化粧品のように単品で月間数万点を販売することはできないでしょうが、それでもパン以外の商品と組み合わせるなどすれば十分ビジネスとしておもしろいものはできそうです。

アイディア次第で売り上げは大きく変わります。パンの売り方一つ考えるだけでも、マーケティングはとても役に立ちますね。

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