「糖化(とうか)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「糖化」とは体の焦げのようなものです。焼いたパンは表面が茶色く固くなりますが、これも糖化です。
パンなら糖化してもおいしくなるから良いですが、体が糖化するのは良いことではないのです。
体が糖化した結果、シワ、たるみ、くすみ、乾燥が起こり老け見えの原因となるのです。
言い換えれば、体を糖化させると早く老けるということです。
少しでも長く若々しくいたいのなら、まずは普段の生活に潜んでいる「糖化の原因」を減らすことが大切です。
それと同時に「抗糖化」につながる習慣を取り入れると、体が焦げにくくなり見た目が若返っていくのです。
糖化対策はアンチエイジングの重要なポイントですね。
今回はまず糖化の「原因」について見ていきます。
糖化の原因:「血糖値」と「AGEs」
まず、糖化はどのように起こるのでしょう?糖化には大きく「2つの原因」があります。
■原因①:食後の高血糖
糖は体のエネルギーとして必要ですが、必要以上に摂りすぎると「血糖値」が上がり糖化が進んでしまいます。
体内で使いきれない場合、余った糖が糖化を引き起こしてしまいます。糖が悪いのではなく糖の「摂りすぎ」が悪いのです。
かといって糖を摂らないのも良くないのです。
たとえば糖質制限ダイエットをすると、体がエネルギー不足になって疲れたり、髪や肌がパサパサになって美しさが失われたりしてしまいます。
糖は体にとって必要な栄養素なのです。
そしてこの糖には炭水化物や甘いものがあります。
具体的には、ご飯、パン、ラーメン、うどん、パスタなどの炭水化物や、砂糖や人工甘味料の入ったもの、ジュースやスポーツ飲料、栄養ドリンク、ドレッシングなどの甘いものがありますね。
糖を完全 に避ける必要はありません が「食べ過ぎ」には注意が必要です。
特に、「食べ物(固体)」より「飲み物(液体)」のほうが体への吸収が早いため血糖値を急激に高めます。
コーラ、ジュース(100%フルーツジュースも含む)、スポーツ飲料、栄養ドリンクなどが甘い飲み物に当たりますね。
また砂糖以外にもスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムKといった人工甘味料も血糖値を上昇させるので一緒です。
これらは「カロリーゼロ、カロリーオフ、糖類ゼロ、微糖、甘さ控えめ、ダイエット◯◯」などと書かれた食品に多く入っています。
■原因②:AGEsの多い食品
体が糖化することでAGEs(エイジズ)という物質が体内で作られます。
このAGEsが老化をスピードアップさせるのです。
AGEsは糖化によって体内で作られるだけではありません。AGEsが多い食品を食べた場合にも体の中にたまります。
AGEsは高温調理で大量に発生し、AGEsが発生しにくい調理法は下の通りです。
右に行くほどたくさんのAGEsが発生します。
【 生 < ゆでる・煮る < 焼く < 揚げる 】
また、特にAGEsが多い食品には下ようなものがあります。
【ベーコン、ソーセージ、バター、焼いた鶏肉、ステーキ、マヨネーズ、焦げたもの】
※マーガリン体にとって非常に悪い油なので、完全に避けてください。
AGEsが多い食品は美味しいものが多いので、完全に避ける必要はありません(焦げたものを除く)。
ただ、AGEsが少なめの食品は積極的に摂るとよいですね。
おまけ/疲れた時や頭を使う時、甘いものは逆効果
疲れた時に甘いものが欲しくなることがありますが、甘いものを食べると血糖値が急上昇したあと急降下します。
そうするとかえって疲れてしまうので「逆効果」になるのです。
特に空腹時はこの血糖値の乱高下が起きやすいため、「空腹を甘いもので満たす」ことはお勧めしません。
この血糖値の乱高下は「血糖値スパイク」と呼ばれて、何度も繰り返すと糖尿病にもつながります。
部活の練習中にスポーツ飲料を毎日1.5~2リットル飲んでいた中学生が、重度の糖尿病になったケースもあるのです。(スポーツ飲料には大量の糖分が含まれます)
また、脳はグルコース(糖の一種)を燃料として使うから頭を使うために甘いものを食べよう、とするのは残念ながら間違いです。
脳は「グルコース」は使いますが「甘いもの」を使うわけではありません。
食事をきちんと摂っていれば脳の燃料は十分です。
甘いもので「一時的に」血糖値が上がるので脳が元気になったような気がしますが、すぐに血糖値が下がり体や脳の疲労につながるのでこれも「逆効果」になるのです。
頭を使うには抗酸化効果もあるブラックコーヒーなどでカフェイン摂るか、ウォーキングや筋トレで軽く体を動かすのが良いでしょう。
ただし、カフェインは夜寝る6時間以内は摂らないことが大切です。
それ以降に摂ると睡眠を浅くして睡眠時の成長ホルモン(肌を修復するホルモン)を減らすので、肌のダメージが蓄積して肌老化が進みやすくなるのです。
まずは糖化の原因を知って、原因を減らすことが大切ですね。
それが老化スピードを遅らせることにつながるので、いつまでも若々しくいられるようになりますね。