今回は「マーケティング思考」について、前回に引き続き「パン屋さん」をもとにマーケティング初心者の方へ向けて書いてみます。
パン屋さんのマーケティングといっても店舗によってやり方は全て違うので、「これさえやればうまく」という正解はありません。
「マーケティングの考え方」の参考としてお考えください。
それでは、さっそく始めます。
前回の記事はこちら↓
【お客さんに聞いてみる】
お客さんに選んでもらうには「選ばれる理由」を作ることが大切でしたね。
そして「選ばれる理由」を作るには、「お客さん」と「競合」の両方を知ることが必要です。
「競合」については近くの店を見ればわかりますが、「お客さん」については日々接しているだけではわからないことも多いでしょう。
それなら、お客さんに直接聞いてみれば良いのです。
匿名で構わないので、
どこに住んでいるのか?(これを聞くと商圏がわかります)
家族構成はどうなっているのか?(小中学生向け、女性向け、高齢者向けなど、商品アイディアを考えるヒントになります)
いつパンを食べることが多いのか?(朝食、昼食、おやつ、夕食など、商品アイディアを考えるヒントになります)
店内のどのパンを気に入っているのか?(選ばれる理由を考えるヒントになります)
など、考えればまだまだ聞けることはあるでしょう。
【なぜ他ではなくこの店を選んだのか?】
なかでも「なぜ他ではなくこの店を選んだのか」という質問は「選ばれる理由」を考えるために「核心を突く質問」です。この質問を外してはいけません。
この回答を集めるだけで、売り上げを伸ばすヒントが見つかる可能性はグッと上がることでしょう。
【アンケートのポイント】
ちなみにアンケートは紙で行う必要はなく、たとえば、パンを渡す時に袋の中にチラシを一枚入れて、そこからLINE@やメルマガに登録してもらったりできるでしょう。
そこからGoogle Formに誘導すれば、ネット上で簡単にアンケートを行えます。
ネットを使えば集計も楽になるし、接客中にアンケートを書いてもらう手間もなくなるし、お客さんが家に帰ってからでも回答できるしで、いいことばかりです。
そして、「毎月抽選で何名様にプレゼント」などとしておくと、回答してくれる人を増やせます。(※プレゼントを渡すために、メールアドレスや電話番号など、何らかの個人を特定できる質問も一部必要ですね)
プレゼントはもちろん「商品や商品と関連づけられるもの」が良いですね(これで確実に来店してもらえます。)お好きなパン3個などでも良いですし、バターやジャムなども良いかもしれません。
【「野菜」を売りにしたパン屋】
アンケートの回答のなかでたとえば、ランチとしてのパンを求める女性が多いとわかるかもしれません。その場合、女性のランチ用のパンを充実させると良いですね。
女性の場合、パンだけでなく野菜も一緒に食べたい人は多いでしょう。それなら、野菜たっぷりのサンドイッチを充実させるのも一つの手です。
在宅ワークの人でも自分で料理するのがちょっと面倒なら、手軽に野菜もとれるサンドイッチは喜ぶ人は多いでしょう。
コンビニ弁当などは野菜を別で買わないと野菜不足になるのです。それを気にしている人は追加でお金を払ってでもサラダも一緒に買っていますね。
「野菜の需要」は多いのです。
「野菜が欲しい」という人は、
ランチにおいしいパンを食べたい。でもパンだけだと野菜不足になる。できれば野菜も一緒にとりたい。でも、わざわざサラダを買いにコンビニなど別の店へ行くのはめんどくさい。
パンとサラダを両方あれば良いだけなら、両方一緒に売っているコンビニで買った方が便利で良い。でも、パンのおいしさならパン屋さんのパンの方がずっといい。
と思っているかもしれません。
それならば、パン屋で野菜を売ってあげれば良いのです。
(※別の店へ行かなくてよくする、お客さんの「手間を減らす」のは売れる商品を作るヒントです)
野菜をたっぷり使ったサンドイッチはもちろん、サラダだけを分けて売っても良いですね。
パンが美味しいのは前提として、その上で「野菜が美味しいパン屋」「サラダが充実したパン屋」など、それだけでも「選ばれる理由」になり得ます。
パン屋だからといって、パン『だけ』を売る必要はないのです。
お客さんをよく知って、お客さんに合わせれば良いのです。
アイディアでどれだけうまく行くかは試してみないとわかりません。考え方のヒントとして参考にしてみてくださいね。
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パン屋のマーケティングは次回また書いていきますね。
ありがとうございました。