今回はマーケティング思考について、「ゴミ箱」をもとにマーケティング初心者の方へ向けて書いてみます。
ゴミ箱といえば、色や形、素材が違うくらいで大きな差のないコモディティの一つです。
そんなゴミ箱ですが、どうすれば「売れるゴミ箱」を作ることができるでしょう?コモディティを売るのは難しいのは確かですが、決して不可能ではないのです。
前回の記事はこちら↓
では、どうするか?
他社がどのような商品を作っているかを踏まえた上で、自社のWHOとWHAT「誰に、どんな価値を提供するか?」を考えます。
基本、大企業でもなければマス(ほぼ全ての人)を対象にした安くて良い商品を作らないのが鉄則ですね。
そんな商品を作ったところで、強いブランド力や広告費などがなければ売れませんし、大企業には勝てません。
個人や中小企業が商品やサービスを作るのなら、何らかの尖りを持ったものがいいですね。
機能で売る/ゴミの分別×自動化
前回紹介したゴミ箱の中に、ゴミを分別しやすくしているものがありました。
また、フタが自動で開閉して人の手間を減らしてくれるものもありました。
これらを「融合」してみたら面白いものができますね。
ゴミを自動で分別してくれる「スマートゴミ箱」です。
ゴミを分別したい人(WHO)の分別の手間を減らす(WHAT)のです。その方法が自動分別(HOW)です。
実際、中国ではすでにできているようですね。ゴミの画像をAIが判別して自動で分類してくれるようです。
見た目をもっとスマートにインテリアに馴染むデザインにすれば、家庭での需要アップが考えられるかもしれません。
共感で売る/レッドブルを応用する
前回紹介したideaco(イデアコ)というゴミ箱は、ミニマルで環境に配慮したデザインです。
イデアコは「環境に配慮しつつも生活の質を高めたい」「質の高さやファッション性をあきらめたくない」という人たちに共感されている可能性がありますね。
機能的な価値よりも「共感価値」で売れているのです。
これと同じような「共感価値」を、少し違う形で作り出すこともできますね。言い換えれば、他社とWHOとWHATは同じにしてHOWだけ変えて売るのです。
例えば下のCULUN(キュルン)というゴミ箱は「ナチュラル・ビンテージ」がコンセプトです。
天然木を使ってナチュラルな雰囲気を出しながらも、高いデザイン性も兼ね備えています。フックで壁にかけることもできますね。
ここにさらに、イデアコのようにカラー展開を増やしたり環境への配慮を謳ったりすることで共感価値を高めることができますね。
その際にもし可能であれば環境保護活動を応援したり、そのような団体と組んで広告に出てもらったりするとさらに共感価値は効果は高まります。
あるいはミニマリストを応援したり組んで商品開発をしてもいいですね。
これはエナジードリンクのレッドブルがスポーツを応援しているのと同じ仕組みです。
レッドブルは「飲むとエナジーがチャージできる」という機能を売っているのではありません。
エナジーが大量に必要で、勝つために強靭な体力と精神力が必要なスポーツという競技を陰で支えている、というイメージを消費者に与え共感価値を作り出しているのです。
レッドブルを飲むことによって、自分も強い体力と精神力が手に入るような気がするのです。レッドブルを飲む自分は、目的に向かって頑張っているような感覚を得ることができるのです。
このように「共感価値」を高めて売る方法は、うまくやっている企業から学んで試してみると良いですね。
上手くハマれば一気に売り上げが伸びる可能性があるのです。