前回のブログでは、世界の材料はすべて同じものであり、この世界は「多様」ではなく「一様」だというお話をしました。
今回は世界が「一様」だからこそ可能となる「物質のリサイクルシステム」について見ていきます。
この世界の姿を知ることで、世界を見る目スケールも世界の見方も変えることができますね。
人と豚とイモの材料
私たちは豚肉を食べても顔に豚肉がつくことはありません。
なぜでしょう?
これは、豚肉を体内で人の身体の一部に作り替えているからですね。豚肉に限らず他の肉、魚、野菜や果物も一緒です。
なぜこのようなことができるのか。それは、分子レベルで見れば人も他の動植物も「材料が同じ」だからですね。
人の身体も他の動植物の身体も、水素、酸素、窒素、炭素の4つの元素でそのほとんどができています。
材料が同じでもその組み合わせ方が違うため、人になったり牛になったり、ハエになったりイモになったりするわけですね。
同じ材料が地球上を循環しながら形を変えて使われているのです。
地球の循環システム
例えば水を考えた場合、今自分の手のひらにある水分子は、その前は自分が食べたトマトの一部だったかもしれません。
そのトマトに含まれていた水は土の中にあったもので、その水は雨として空から降ってきたものかもしれません。
その雨を降らせた雲は、地上から蒸発した水蒸気が上空で水になったものです。地上で水を蒸発させたのは動植物の身体であったり、海や川などであったりします。
つまり、
動植物の身体や海や川から水が蒸発
→水蒸気→雲→雨→土→植物→動物(人)
→水蒸気→雲...
というように、水は地球上を循環してきたわけです。
このように、水に限らず動植物の身体などを作る地球上の全ての物質は、常に循環し再利用され続けています。
人は昔、花だった、魚だった、雲だった、星だった
同じ物質がある時は人になり、ある時は花になり、鳥になり、魚になり、海になり、雲になり、雨になり、木になり、また人になる、というようなことが延々と繰り返されているのです。
今自分の身体を作っている材料は、かつては花や木の一部であり、他の動物の一部であり、ずっと昔に死んだ人や恐竜などの一部であり、さらに昔には宇宙で他の星を作っていた材料の一部でもあるのです。
同じ材料が宇宙を循環し、さらに地球上を循環し形を変え、宇宙の進化とともに138億年に渡って再利用され続けているわけですね。
百億年の歴史が今も身体に流れてる
ー合唱曲COSMOS
世界は「多様」ではなく「一様」だからこそ、このような巨大なリサイクル・システムが可能なんですね。