今回はマーケティング思考について、「タオル」を元に書いてみます。
それではさっそく始めます。
世の中を調べてみる
まず、タオルと言ってもいろいろあるので、「誰に、どんな価値を提供するか」を考えます。そのためにまずは、世の中でどんなタオルが売られているのかを調べるところから始めます。
Amazon、楽天、ニトリ、LOFT、東急ハンズなどを調べてみると良いですね。実際に調べてみたら下のようなタオルがありました。
■ホテル仕様のふわふわタオル
■抗菌加工がしてある嫌な臭いがしないタオル
■水分の吸収力が高くすぐ乾くタオル
■オーガニックコットンを使ったナチュラルタオル
差別化が難しそうならやらない
これらの中で、ホテル仕様のタオルは差別化が難しそうなので諦めます。ホテル仕様です、ふわふわです、と訴求したところで、他との違いはほとんど作ることができません。
またオーガニックコットンのタオルも、差別化できそうなポイントはすぐ見つかりません。化学肥料をなるべく使っていないので「赤ちゃんや肌の弱い人でも使えます」と言うくらいです。
抗菌加工がしてあって嫌な臭いがしにくいタオルの場合、差別化できるポイントがあるとしたら素材くらいです。
時間を蘇らせるタオル
一方、すぐ乾く速乾タオルであれば差別化のポイントがありそうです。
たとえば髪を拭く専用のヘアタオルとして、通常のタオルよりドライヤー時間を30%カットなどと表示できる試験を行います。
これを髪を乾かす時間と手間を苦痛に感じている人に向けると、興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
ドライヤー時間は人によっては10分前後かかります。タオルを替えるだけで1日3分時短できるなら、1ヶ月で90分の時短になります。
90分分のドライヤーの電気代節約にもなり、家族とドライヤーを取り合う人はそのストレス減少にもなります。
もちろん、これまで非生産的な作業のために90分の「死んだ時間」を、自分のために有効活用できる「生きた時間」へと変換することができるんです。
コンセプトは「時間を蘇らせるタオル」「時間を生み出すタオル」「時短タオル」などとしてもおもしろいかもしれません。
タオルといえばただ水分を吸収するだけの布ですが、このように「視点を変える」ことで新しい価値を見出すことができるんです。
視点を変えて新しい価値を見つけることはマーケティングの大事な力の一つですね。