薬を使わずライフスタイルで不調を治し、アンチエイジングまで実現する「ライフスタイル医学」についてのお話です。
ケーキ、ジュース、アイスなど、砂糖が入ったものは多いですね。疲れた時に甘いものが欲しくなることもあるでしょう。
甘くて美味しいものは幸せになりますが、でも砂糖は「適度な量」に抑えないと体へのダメージがとても大きい食品なんです。
実際、「砂糖」についての知識がないためにとりすぎて気づかないうちに体が壊れてしまっている人が多くいます。
今回はそんな「砂糖」についてのお話です。
【砂糖で腸内環境が壊れてしまう】
乳酸菌や発酵食品をとって腸内環境に気をつけている人は多いですが、砂糖はそんな努力をムダにしてしまうかもしれません。
砂糖には腸内の悪玉菌を増やす働きがあります。いくら腸内環境に良いものをとっていても、砂糖がその効果を帳消しにしてしまう可能性があるんです。
便秘が治らない、発酵食品をとっているのに効果がないと感じている人は、自分自身で気づかないうちにせっかくとった善玉菌をジャマしているのかもしれませんね。
そして砂糖をたくさんとると(甘いお菓子やドリンクをたくさんとると)悪玉菌の毒素が全身に回りやすくなり、疲れやすくなり、身体のだるさを感じたり、寝ても疲れが取れにくく慢性疲労にもなりがちで、アトピーを引き起こすこともあります。
疲れた時に甘いものが欲しくなることはありますが、砂糖で血糖値が急上昇するとその後すぐ急降下してかえって疲れがたまるんです。
つまり、「疲れた時に甘いものは逆効果」ということですね。
【砂糖で脳が働かなくなる】
また糖分の多いお菓子や飲み物を多く摂っている子は、落ち着きがなく集中力が続かない傾向があります。
子どもの集中力がなくて困っているお母さんは多いですが、実はそれは「甘いもののとりすぎが原因」かもしれません。
またオーストラリア国立大学などの研究によると、スナック菓子や砂糖入り飲料などを日常的に摂ってきた人は、脳が小さくなることがわかりました。
特に影響を受けるのは、記憶に関係する「海馬(かいば)」です。
スナックを食べたり甘いドリンクを飲んだりするほど、記憶力は落ちていくわけです。自分は記憶力が悪いと思っている人は、実はそれは「食事のせい」かもしれません。
脳を働かせるには「糖分」が必要だと思われることもありますが、糖分(炭水化物)はご飯などの食事から摂れば十分です。砂糖で摂れば脳がより活発に働くわけではないのです。
砂糖をとると血糖値が急上昇するので「一時的に」頭が働きやすくなった気がすることはありますが、そのあと血糖値が急降下してかえって頭の機能は落ちるのです。
甘いものを食べなくても、健康的に太ることは十分に可能です。甘いお菓子ではなく「食事で太る」ことを心がけるといいですね。
【女性の不調の原因にも】
さらに、砂糖は体を冷やす効果があるため、甘いものが好きな人は体が冷えやすい傾向にあるのです。
体が冷えると体の酵素が働きにくくなり、血液のめぐりが悪くなり栄養が全身に行き届きにくくなるのです。手足の冷え、頭痛、生理痛などを感じやすくなる方も多いでしょう。
さらに、砂糖は体を強く「糖化」させ肌のハリやツヤを奪い、内臓にもダメージを与え、骨をもろくしてしまいます。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究によると、コーラなどの「砂糖入りの炭酸飲料」には細胞を老化させる働きがあることが確かめられました。
実際、甘い物好きの人は顔のシワやたるみが比較的早く現れ、外見も老けて見える傾向があるのです。
そして骨からカルシウムを溶かし出し骨が弱くなります。特に高齢での骨折のリスクは高まります。砂糖は骨を溶かすことは、甘いものを食べると歯が溶けて虫歯になりやすくなることからもわかりますね。
糖分は砂糖に限らず、「果糖ぶどう糖液糖」という満腹感を感じにくく大量摂取しやすいものとして「炭酸飲料」や「スポーツドリンク」などに含まれることもあります。
甘いものは適度にとるなら生活が楽しくなりますが、気づかずとりすぎるといろんな不調の原因になるんです。
疲れやすい、年齢よりも老けて見られる、集中力が続かない、冷え性だ、便秘がちなど、不調に悩んでいる人はぜひ「砂糖」を減らしてみてくださいね。