売れる「入浴剤」のマーケティング/競合を変えると高くても売れる

前回は売れる「入浴剤」について見ていきました。

前回の記事はこちら↓

 

私たちが入浴剤を使う「目的」は主に下の4つがありましたね。

■疲労回復

体が温まると血行が良くなり筋肉の緊張がほぐれたり、副交感神経が活発になって心がほどけていきますね。

■不調の改善

体が温まると血流が良くなり、冷え性や肩コリなどが改善されます。

■美容

体が温まると代謝が良くなり、お肌の調子も良くなります。

■睡眠

入浴で体温を上げるとその約90分後に下がります。その体温の低下が入眠を促してくれるのです。

 

今回はこれらの中から「美容」に集中した入浴剤を見てみます。どの目的に特化するかで売上が大きく変わるのです。

H&/水素×ナノバブル

H&(アッシュアンド)という商品は美容に集中した入浴剤です。

商品名が読めない時点で、ネーミングは覚えやすさより「見た目・デザイン性」を重視していることが伺えますね。

H&は「水素」と「ナノバブル」を発生する入浴剤です。

お風呂のお湯に通常は塩素が含まれています。しかし、殺菌・消毒効果のある塩素は肌に良くないのです。

でもこの入浴剤は塩素を除去してくれるので、ピリピリ感など肌の負担が減り美容効果を求める人にはぴったりですね。

 

この入浴剤は「美容効果」を高めることに効果を集中しています。

水素やナノバブルといった、美意識の高い人なら美容に良いと知っている、そうでない人はあまり知らない成分を強調していることからも伺えますね。

ターゲットでない人に言葉が刺さる必要はないのです。

競合を変えると高くても売れる

そして美容効果に集中することで、競合には他の入浴剤以外にも美容液やクリームなどのスキンケア化粧品も入りますね。

この入浴剤を「お風呂用のスキンケア商品」と考えるなら、30回分3,300円という価格は決して高くはないのです。

商品をどのように位置付けるかで、消費者が比較する価格、参照する価格は変わりますね。

商品を「入浴剤」と位置付けるのなら、バブやバスロマンなどの1ヶ月分数百円が参照価格となります。

しかし「スキンケア商品」と位置付けるのなら、美容液やクリームなどの1ヶ月分数千円が参照価格となります。

商品をどのように位置付けるのか、どのように「見せる」のかで、競合は変わり、参照価格は変わり、どの強みを強調すると競合に勝てるのかも変わります。

勝てる相手と競合する

他の安い入浴剤相手に価格勝負しても勝てませんが、他のスキンケア商品相手なら勝てるのです。

他の安い入浴剤相手に美容効果で勝負したら勝てますが、他のスキンケア商品相手なら勝てないかもしれません。

勝てる相手を競合とすれば良いのです。

見せ方を考え、競合を考え、その商品の強みが勝てる相手を競合とし、その強みを最大限喜んでくれる人を顧客と設定するのが勝ち筋です。

可能ならばこのようなことは商品を作る前に考えて、それから商品を作るとより勝ちやすく(売れやすく)なるでしょう。

しかし、すでに商品がある場合でも、見せ方を変えるなどすることで売れる可能性はあるのです。

「自分ならこの商品をどう売るか」考えることは、マーケティングの考え方を身につけるのに役立ちますね。

マーケティングの考え方を使うだけで売れる商品は、まだたくさん眠っているのです。そのまま売れなければ消えてしまうかもしれません。

マーケティングを学べば多くの人を救うことができますね。

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