なぜ、まじめに頑張っているのにうまくいかないのか?
それは無駄な努力をしているからかもしれません。働き過ぎはけっして名誉ではないのです。
それを教えてくれるのが「エフォートレス思考」です。
この本は世界的ベストセラーになった「エッセンシャル思考」の続編です。
エッセンシャル思考は「何を」やるかを見極める技術。
エフォートレス思考は「どのように」やるかを極める技術。
ということです。
成果を上げるために、常に疲れきっている必要はない
私たちの多くは成果を出すために大量の無駄なことをしています。たとえ何をやめて何をするのかを見極めて集中しても、その「やり方」によっては無駄に力を浪費することになるのです。
成果を上げるために、常に疲れきっている必要はないのです。頑張れば成果が出るとは限りません。
頑張ることが良いことだという価値観は、無意識のレベルで私たちの心に刷り込まれている。楽をするのが後ろめたく感じるほどに、努力の価値は過大評価されている。
私が携わったある会社でも、無駄に思える苦労をしていることがありました。お客様からのメールへの返信で、言葉遣いに非常に気を配るのです。
内容さえ伝われば良いようなメールでも、無駄に長く、無駄に丁寧な文章を作ろうとして、上司に添削を受け、修正し、また添削され、やっと送信できるのです。
確かに、丁寧な文章を受け取った「一部の人」は「多少」は気持ちが良くなるかもしれません。しかし、それは全員ではないですし、もちろん大きなプラスになることもないでしょう。
お客様を大切にするために丁寧な文章を書くべきだ、という無駄に正しい思い込みで無駄に努力しすぎなのです。
本当にそこに時間と労力をかける必要があるのか。それでブランド価値は上がるのか、会社の長期的な利益につながるのか。
そんなことは考えず、とにかく丁寧にやるものだ、と思考停止しています。その結果、毎日残業が多くなり、心身ともに疲弊して体調を崩して休む人もいるのです。
そして、人が足りない、などと不平を言い、自分のやり方を省みることもありません。もっと楽をすればいいのに、苦労は良いことだ、という強烈な思い込みで自分を縛り続けます。
難しいのは問題そのものではなく、私たちの考え方かもしれない。簡単にできることを、無駄に難しく考えてしまっていないだろうか。
「成功するために心身を酷使して働かなければならないというのは、私たちの社会の集団幻覚だと思います」
「楽をするのは悪いことだ」という思い込みを捨てること。そして、「成果を出すために、もっとも簡単なやり方はなんだろう?」と考えること。
そうすると、目の前の霧が晴れて人生がもっと切り開かれていきますね。