間違いだらけのサブスクリプション/ケーキ屋のサブスク化

サブスクといえば、月額販売のことだと誤解されがちです。

しかし、サブスクはただの月額販売ではないのです。サブスクの仕組みをうまく利用すると、これまでとは比較にならないほどビジネスを拡大できる可能性があるのです。

今回は以前書いたケーキ屋さんの例を元にサブスクについて書いていきます。

 

前回までの記事はこちら↓

「サブスクリプション」とは

まず、「サブスクリプション=月額販売」ではありません。

サブスクは下の3つの要件を満たすことが必要です。

 

【サブスクの3ポイント】

①「製品」ではなく「サービス」の定期販売

毎月同じ商品を届ける定期通販や家具や家電の月額レンタルは「製品」を扱うので、それだけではサブスクではありません。

 

② 発展性

毎月同じ内容のサービスを届けるだけで発展性がなければ、サブスクとは呼びません。

 

③ カスタマイズ

全てのお客さんが同じサービスを受けており違いが全くないのなら、それはサブスクとは呼びません。

 

ケーキ屋でサブスクを考えると例えば下のようなことができますね。

会員を”ひいき”する

■月額の会員制

月額2,000円の会員制で、毎月好きなケーキ5個まで買える。6個目以降は会員の方は特別に10%引き。

会員の方はケーキを買った際に付くポイントとは別に「来店ポイント」もプレゼント。これで来店頻度を高めることができますね。

会員の方はいつでもポイント2倍にすると、さらに来店頻度や顧客単価は上がります。

会員や特別会員だけしか買えない、限定スペシャルケーキを作っても良いでしょう。

利用するほど有利になる

一定のポイントが貯まると「特別な会員カードにレベルアップ」

いつでもポイント3倍、記念日プレゼントなど、さらに豪華特典をつけることもできますね。これがサブスクリプションでいう「発展性」「カスタマイズ」です。

「商品」ではなく「サービス」を売る

会員限定、新作ケーキの試食会にご招待。

ここでお客さんから意見をもらってそれを生かすと、自分で考えるよりもお客さんに求められるケーキ(売れるケーキ)を作るのが簡単になりますね。

お客さんの意見が商品に反映されれば、お客さんが喜んで口コミしてくれやすくなりますね。

会員を巻き込む

会員制のケーキ作り教室を開催。

そこで美味しいケーキの作り方を教えるだけではなく、生徒たちとコミュニケーションを取ればさらにリピートするお客さんになりやすくなりますね。

さらに、生徒のケーキをお店で販売する特別企画も面白いかもしれません。

お客さんをお客さんのままにせず、販売者側に巻き込むのです。すると、そのお客さんと繋がりのある友人や家族もお店に来てもらいやすくなるでしょう。

そのお客さんがSNSのフォロワーの多い人であれば宣伝は簡単です。

お店が宣伝しなくとも、お客さんが自ら宣伝してくれるので集客費用をグッと減らすことができるでしょう。

お店の宣伝はお店だけで行う必要はないのです。

体験の輪を広げる

会員限定、お友達会員紹介制度。

お友達を紹介してくれたら、双方にケーキ無料チケットやポイントをプレゼントします。この際、プレゼントはケチらないことが大切です。

紹介以外で新しいお客さんを獲得するには、広告を出すなど多くの費用がかかることもあるでしょう。しかし、広告媒体に広告費を支払ってもお客さんは喜びません。

それならば、広告にかける費用をお客さんに還元すれば良いのです。

数字を計測してみれば明らかになりますが、特に紹介で入ってくれた人や紹介された人はその他の人よりリピート率や顧客単価が高いはずです。

その人たちを思いっきりひいきしてプレゼントの大盤振る舞いをしたとしても、十分元がとれる可能性があるのです。

「たくさん売って儲けよう」という発想ではなく、「お客さんを喜ばせよう」という発想で行動すれば自然と利益は後からついてきます。

紹介特典に1万円

可能であれば、私が関わっているECのように、CPA(一人の顧客獲得単価)やLTV(一人のお客さんが最終的にいくら払ってくれるのか)を数字で出すことが理想です。

そうすると、LTVを下回る限りCPAを高めて良い、という数字の判断ができますね。紹介制度で双方にプレゼントする紹介特典はCPAに含まれます。

仮にLTVが3万円なら、紹介特典として双方に1万円ずつのプレゼントをしたって元が取れることになるのです。

そうすれば、他店ではあり得ない相当豪華なプレゼントを用意することができるでしょう。それがさらに多くの人を惹きつけます。

これがサブスクリプションの威力なのです。

サブスクリプションを学ぶだけで、ビジネスは大きく加速します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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