薬を使わずライフスタイルで不調を治し、アンチエイジングまで実現する「ライフスタイル医学」についてのお話です。
今回は体内の「酵素」のはたらきや「代謝」に欠かせないな「塩」のお話です。
「塩」といったら、「塩化ナトリウムのこと」「特に栄養のない白くてしょっぱいもの」「とりすぎると高血圧になるもの」という認識は残念ながら違うのです。
【「塩」の効果】
塩と聞くと、あまり体によくないイメージがあるかもしれませんが、塩は体に絶対必要なものなのです。
体で塩分が不足すると、体温が下がり、冷え性になりやすくなります。体が冷えると消化酵素の働きも落ちるので、食べ物が未消化のまま腸に入り腸内環境も悪化しやすくなります。
また塩分が不足して体のミネラルバランスが崩れると、やる気が出ず、疲れやすくなり、下痢、便秘、肌荒れ、物忘れ、熱中症も起こりやすくなります。
さらに「自律神経」が不安定になり、心が落ち込みやすくなり、ストレスに弱くなります。
そうならないためにも、塩分は積極的に摂るといいんです。
【血圧を下げる成分】
塩分というと血圧を気にする人もいますが、塩分で高血圧になるのはすでに高血圧の人だけであることは研究で確かめられています。塩分自体が悪者ではないのです。
さらに「味噌」のように「大豆+塩」の食品は、血圧を上げるどころかむしろ「血圧を下げる」効果が確かめられています。血圧を上げにくくするために「減塩味噌」を使う意味はないんです。
それに、血圧を下げたいのであれば「減塩」よりも「ビタミンD」を補うことのほうが効果的であるとの研究が、2014年に世界最高水準の医学誌「ランセット」に掲載されました。
医学誌ランセット
体内のビタミンDが10%増えるごとに、高血圧のリスクが8.1%も減少するということです。
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【「良い塩」と「悪い塩」】
また、すでに高血圧の人の血圧を上げるのは「悪い塩」の話です。ぜひ「悪い塩」は避け「良い塩」を選んでください。
例えばスーパーやコンビニで売られている 一般的な「食塩(食卓塩)」は、その成分の99%以上が「塩化ナトリウム」です。
これは本来の塩の栄養分(ミネラル)がほとんど取り除かれた「悪い塩」で、摂りすぎると体がバランスを崩し不調を引き起こします。
また食塩にはべとつきを防ぐために「塩基性炭酸マグネシウム」が入っていて、とりすぎると腸内で乳酸菌がうまく働けなくなります。つまり、「悪い塩」をとりすぎると腸内環境が悪化するのです。
腸内環境が悪化すると「免疫力」が下がるので、風邪などにかかりやすくなりますね。このような私たちの体に大切な乳酸菌が生きられない塩が、体に良いはずがありません。
一方、ヒマラヤ岩塩のような「良い塩」の成分は、塩化ナトリウムは約85%だけ、その他に鉄分、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが15%も入っています。
これらのミネラルは体内で「酵素」の働きを助けてくれるので、「代謝」を高めて細胞のエネルギーを増やしてくれます。そうすると疲れにくく、ストレスにも強く、病気にもなりにくくなるのです。
このような、酵素、代謝、エネルギー(ATP)などの話は私が大学で専攻していた「生化学」の分野です。
要するにミネラルは「からだ本来の力を正常に引き出してくれる」ということです。
同じ「塩」という名前がついてはいるものの、その成分が約15%も違ったら「良い塩」と「悪い塩」は全く別の食品と考えるといいですね。
からだの反応は正直です。
「良い塩」をとるか「悪い塩」をとるかで「クエン酸回路」などでの酵素の働きやエネルギー生産などの機能は全く変わるので、ぜひ「良い塩」を選んでとってくださいね。
ありがとうございました。