ヨガ教室といえば全国にたくさんあり、生徒の側から見ればどこに行こうか迷うこともあるでしょう。
でも教室を運営する側から見たら、周りは競合だらけで生徒集めが難しいのです。
そんなヨガ教室でどうやって集客や利益率アップができるのか、マーケティングの考え方を使って見ていきます。
目次
「選ばれる理由」を作る
まず、他の教室との違いがよくわからない場合は価格競争になりがちです。
口コミやインストラクターの良さももちろん大切ですが、それ以前にまずは一度来てもらうことが必要でしょう。
そこで、どのようなサービスを提供すると競合だらけの中で選んでもらえるか、「他の教室との違い」「選ばれる理由」を考えます。
そもそも、生徒さんは何のためにヨガ教室に通うのでしょう?
「美しく痩せるため」
「ストレスをやわらげるため」
「冷え、便秘、肩こりや腰痛など体の不調を改善する」
などがあるかもしれません。
これら商品やサービスによって「実現できること」を、マーケティングでは「ベネフィット」と呼びますね。
絞って強化
ヨガによってこれらを実現できる人は多いでしょうが、それは他の教室でも一緒です。これらを実現できますと言ったところで、「他ではなくうちを選ぶ理由」にはなりません。
そこで、一旦は「ベネフィットを絞って強める」ことが有効です。
たとえば、「美しく痩せる」ということだけにベネフィットを絞りこみ、「美しく痩せる専門のヨガ教室」としてみます。宣伝する際、他のベネフィットは思い切って捨てるのです。
捨てると生徒が減ると心配になりますが、実際にやってみればそれは杞憂だったとわかるはずです(※絞り方を間違えると生徒が減るので注意が必要です)
まずは絞ることが「選ばれる理由」を作るためには必要なのです。
そして一旦絞ったら、次に絞った分野を「強化」します。
「美しく痩せる専用のヨガプログラム」作りを行うと良いですね。
そこにたとえば「栄養士監修の食事アドバイス」や「レコーディングシート」「フェイスブックやLINEグループ参加特典」などを付けてもいいかもしれません。
何らかの方法で生徒さん同士がつながれるように「顧客コミュニティ」を作ることは、顧客のリピート率アップにも教室のサービス改善にも役立ちます。
これだけでも他のヨガ教室との違いは簡単に作れます。一点特化するからこそ、その部分を強化しやすくなるのです。
「リピート率」を上げるには
もちろん、生徒さんのリピート率を上げてもらうためにも、より確実にベネフィットを実現してもらうためにも、「美しく痩せる専用のヨガプログラム」は1ヶ月や2ヶ月では足りません。
たとえば、
・1ヶ月:7,000円
・集中コース(3ヶ月):月額6,300円(10%OFF)
・徹底コース(6ヶ月):月額4,900円(30%OFF)
・完全コース(9ヶ月):月額3,500円(50%OFF)
などのように、ある程度の期間が必要であると伝えるネーミングをして、かつ長期間になるほど費用も安くなるようにすると、より長期的なコースを選んでもらいやすくなるでしょう。
これで数ヶ月後までの売り上げ確定です。
ちなみに、ある程度の長期的なコースへと誘うのは教室の売り上げアップのためだけではありません。生徒さんのベネフィット実現ももちろんありますが、そのための「行動の習慣化」も目的の一つです。
ある程度の期間同じ行動を続けると行動が生活と一体化して習慣化します。
そうすると、その行動が生活になくてはならないものになり自然と解約率は減るのです。長期コースに誘導することで、このような人間の性質をプログラムに組み込んであげると良いですね。
長期コースが「選ばれる理由」を作る
さらに、生徒さんが長期コースを選ぶメリットは費用が安くなるだけでは足りません。
たとえば、
・3ヶ月コース以上の方:栄養士監修のダイエット食事メソッドプレゼント
・6ヶ月コース以上の方:睡眠を誘うアロマやハーブもプレゼント
・9ヶ月コース以上の方:通常3,500円の腸活乳酸菌サプリもプレゼント
など「特典の差別化」も行うと長期コースがより魅力的になりますね。特典はもちろんベネフィット(美しく痩せること)につながるものであることが理想です。
ベネフィットとは無関係のタオルなどをあげてもダメだのです。
そして、特典は定期的に変えてみることでどうするとより長期コースを選んでもらいやすくなるか「テストを繰り返して数字を改善する」ことはマーケティングで必須です。
この特典を付けたときは9ヶ月コース申し込み率が○%、この特典の時は○%に上がったから、特典はこれにしよう、などという感じですね。もちろん特典のコストは最小限に抑えます。
どんなアイディアでも100発100中を狙う必要はないですし、一見当たったように見えるアイディアでも必ず改善の余地はあるのです。
「顧客単価」を上げるには
そして、生徒さんに支払ってもらうのはコース受講料だけである必要はありません。
たとえば3、6、9ヶ月コースを受講中の方限定で、通常3,500円の乳酸菌サプリやプロテインが特別に20%OFFで買えますよ、
などとすると、「コース受講料+商品の販売料」が入るので顧客単価が上がり利益率は上がります。
ベネフィットを実現する(美しく痩せる)ために役立つものは全てが商品になるのです。
良質な睡眠をもたらす枕やマット(睡眠の質が落ちると食欲が増し太ります)、痩せやすい体を作るコーヒーやオリーブオイル、腸内環境の改善に役立つオリゴ糖なども美しく痩せるのに役立ちます。
(※ブラックコーヒーの脂肪燃焼効果は研究で実証済みです)
特に消費財(使うとなくなるもの)であれば継続的に買ってもらえるので、顧客単価が継続的に上がり続けることになりますね。
私自身、単品リピート通販ビジネスを行っていますが、通販を専業にするなら売り上げを継続的に上げるために使うとなくなる化粧品や健康食品を売るのが鉄則です。
さらに「集客数」を上げるには
そして最後に、生徒さんたちにはネット上(GoogleMap上など)での口コミを積極的に行ってもらうと良いですね。
地域の教室を地図検索する人は多いので、MEO(Map Engine Optimization:地図検索の最適化)は店舗や教室ビジネスなどに有効です。
「口コミを書いてくれたらポイントアップ」「ポイントをためると次回割引」など口コミを書くメリットがあれば行動してもらいやすくなるでしょう。
そして、お友達を紹介してくれたら紹介者とお友達にそれぞれAmazonギフト券2,500円分(合計5,000円分)プレゼント、などもおもしろいかもしれません。
ネット広告を出す場合、顧客獲得単価(CPA:1人の顧客を獲得するのにいくらの広告費がかかったか)がわかるので、それと顧客生涯価値(LTV:1人のお客さんが解約するまでに支払ってくれる金額)を比較して、いくらまでならCPAを出せるかを計算できます。
たとえば、平均LTVが30,000円なら、CPA5,000円(Amazonギフト券5,000円分)は安いのです。5,000円支払えばそれが30,000円になって返ってくるということですね。
もしかしたらCPA10,000円でも成り立つかもしれません。お友達紹介でAmazonギフト券を5,000円ずつプレゼントできますね。
これだけ豪華な特典をもらえるなら、お友達を紹介してくれる人は増えるでしょう。
サービス提供コスト(人件費、家賃など)も考慮する必要がありますが、LTVが分ければかけても良い広告費がわかるので、その範囲で紹介特典を考えることができますね。LTVの計算はマーケティングでは必須です。
ヨガ教室にもマーケティング
このように、マーケティングの「考え方」があるだけで、競合だらけのヨガ教室でも十分売り上げを上げていける可能性がありますね。
もちろん、ここで書いたことは「考え方」を知るための参考で、正解ではありません。
いろんなアイディアを出してテストすることは必須です。何度もテストして改善を繰り返して、それで徐々に数字が上がっていくでしょう。ぜひ参考にしてみてくださいね