演劇とドーナツの共通性

最近、あるドーナツを食べて感動しました。

単においしかったからということもありますが、それよりも、それを作った人の思想に共感したからなんです。

そしてそのドーナツに込められた思想というのが、演劇界で有名な平田オリザさんの思想とそっくりなんです。

計算された「ありのまま」

平田さんの作る演劇には、他とは違う特徴があります。

それは、「ありのまま」を舞台上に作り出すこと。

通常演劇といえば「作り話」なので、それを演じている人たちを見ると、いかにも演じている、という雰囲気が漂います。

多くのドラマや映画もそうですよね。演技してます!、という明らかに日常とは違う雰囲気を思いっきり出して観る人を引きつけるのです。

しかし平田さんは、台詞の間合いや動きなどを緻密に計算して設計し、余計なものを徹底的に削ぎ落とします。

それによってまるでなにも演じていないかのような自然な舞台を作り出すんです。

細かい所まで計算して計算して「すごくなく見せる」

これが平田さんのすごさなんです。

計算された「自然さ」

そしてこの計算された自然さ「フロレスタ」のドーナツも同じなんです。

一見シンプルでなにも工夫していないかのように見えますが、実は素材や調理法から、包装やお店の雰囲気まで徹底的な計算に基づいてさまざまな工夫を積み重ねて、初めてこの「自然な味」を実現しています。

まるで何もしていないかのような自然さがあるんです。

細かい所まで徹底してこだわり抜くことで「すごくなく見せる」

まさに平田さんの演劇と同じです。

本質はシンプル

演劇では、有名俳優や派手な演出で表面的に目立たせることは簡単です。

またドーナツでは、特別な素材や味付けで目立たせたり、奇抜な包装や店内デザインで表面を飾ることは簡単です。

しかし物事の本質的な価値を追求していくと、自然とシンプルになるんですね。

表面だけを見るとまったく違って見える演劇とドーナツでも、そこに込められた本質を突き詰める思想は一緒なんです。

余計な飾りを排除して本当に大事なところに集中する。いつまでも多くの人たちから愛され続ける秘訣ですね。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事