今回はマーケティングに役立つ考え方の一つとして「ランチェスター戦略」の紹介です。
ランチェスター戦略とは、一言でいえば小さな会社が勝つ方法です。
ランチェスター戦略の考え方を使えると、小さな会社でも儲かるビジネスを作れるようになるのです。
一方、ランチェスター戦略の考え方を使えないと、小さな会社はいくら忙しく働いても儲からず努力の無駄で終わってしまうかもしれません。
行動の「量」は同じでも「方向」によって得られる成果は変わるのです。
小さな会社が進むべき「方向」を見つけるヒントになるのが、ランチェスター戦略です。
大原則:強者とは戦うな!
ランチェスター戦略の大原則は「強者とは戦うな!」ということです。
強者と正面から戦っても勝てません。強者と同じような商品を真似して出しても、二番煎じだと思われて終わります。
以前、化粧品通販をしているある経営者が白髪染めの商品を出そうとしました。ちょうど売れている競合他社があり、真似すればそのシェアの一部を取れるだろうと考えたのです。
しかし、調べれば調べるほど競合他社は強すぎました。通販番組に広告を出していたり、ネット上でもニュースメディアからSNSまで大量の広告を出しています。
そこに勝つには何らかの差別化をして、他社商品を上回る商品を作ることが必要です。
しかし、いくら製造工場と打ち合わせを重ねても、他社を上回る商品はなかなかできなかったのです。
地獄への道
最終的には他社とほぼ同じ商品にして価格勝負しようとしましたが、実行前にやめました。
明らかに資金力もある競合に対し、ほぼ同じ商品で、ほぼ無名の会社が価格勝負をしたところで、勝てるのは一瞬です。
売れても利益率が低いために自分の首を絞めることになり、資金力がある相手が値下げしてきたらこちらに勝ち目はありません。
苦労ばかり増えて儲からない、退却するにも在庫処分に追われて苦しむ、地獄への道を進むことになるのです
焦りが判断を歪ませる
その経営者は他の経営者からの助言でそのことに気づき、地獄を見ずに済みました。
今の商品の売上が落ちていたため、何とか挽回しようと焦って判断を間違えそうになったのです。
焦りは判断を歪ませます。
冷静に考えればわかることでも、焦りの渦中にいるとわからなくなるのです。
そんな時には相談できる相手が周りにいると良いですね。
実戦こそ最強の勉強法
ランチェスター戦略を学んで実行することは大事ですが、焦りの渦中にあったり自分を過信したりしていると正しく実行できません。
ランチェスター戦略に限らず、マーケティングは学べば使えるほど簡単なものではないのです。
実戦を通して、何度も失敗して苦しい思いをしながら、苦しい状況でも妥当な判断ができるように体感で身につけていくものです。
マーケティングの本をたくさん読みました、というのでは全く話になりません。結果を出すマーケターこそ実戦で学んでいます。
マーケティングの勉強とは、本を読んだりセミナーや講義を聞いたりすることではありません。
「実戦こそ最強の勉強法」です。
マーケティングに携わるなら、ぜひ心に留めておきたいですね。