「パッヘルベルのカノン」はクラシック音楽の中でも特に親しまれている曲の一つですね。
今回はその中から個人的に特に良かった演奏をご紹介します。
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同じ曲でも、演奏によって描かれる世界が違い、体験できる世界の広がりが違います。音楽を聴いて想像の世界を楽しんでください。
イェール大学のクレイグ・ライト教授は、音楽について下のように話しています。
音楽を含めたすべての芸術の目的は、生きる意味を探し求めることに他なりません。音楽やアートを楽しむことは、想像を通してもう一つの人生を経験するということです。芸術を通して経験する二つ目の人生は、本来の人生をより豊かに、より楽しいものにしてくれることでしょう。ーイェール大学教授 クレイグ・ライト
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ヨハン・パッヘルベル作曲 カノン(Canon in D)
もっともクラシックな、オリジナルに近い演奏です。
ピアニストであり、ソフトウェアエンジニアでもあり、イェールのクレイグ・ライト教授の友人でもある、ステファン・マリナウスキーさんによるカノンの楽譜の映像化です。
ブルックリン・デュオの2人による、ピアノとチェロの演奏です。
トリトナ・ミュージックの2人による、ピアノとヴァイオリンの演奏です。
「黄金のフルートを持つ男」と呼ばれる、世界最高のフルート奏者の一人。ジェームズ・ゴールウェイさんの演奏です。
ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団の演奏です。
クライヴ・キャロルさんのクラシックギターによる演奏です。
アメリカのクリエイター集団、ピアノ・ガイズによる演奏です。合成映像によって同じ人を4人に増やしていますね。
カノンをもとにした、日本の合唱コンクールの定番曲です。
日本の結婚式を舞台にした、ふつうのお父さんの演奏です。
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当然ですが、音楽は「作曲者」が描いたストーリーだけで完成するものではありません。同じ曲でも「演奏者」によって描かれる世界が違い、見える世界が違い、体験できる世界の広がりが違います。
作曲者であるパッヘルベルも、カノンがここまでアレンジされるとは思っていなかったことでしょう。オリジナルがいちばんだという方もいれば、私はこれが好き!という演奏がある方もいるでしょう。音楽に正解なんてないので、その人その人の感性で好きなものを選べばいいんですね。
もちろん、選ぶのは一つである必要はありません。
それに「遠い日の歌」や「日本の結婚式の演奏」でもわかりますが、人を感動させる、人の感情を動かすのは必ずしも演奏技術の高さではないんです。音楽を聴く人の過去の経験や感情が思い起こされることもありますね。
もしあの場に居合わせたとしても、新婦が感じる感情とその他の人たちが感じる感情は全く別のものでしょう。音楽は「演奏者」によって変わるだけでなく、「聴く人」によっても大きく変わってくるんですね。音楽は「作曲者」「指揮者・演奏者」「聴く人」の全体で創り上げるものなのです。
いろんな音楽を聴きながら、小説を読んだり映画を観たりするように、想像の世界を楽しんでいきましょう。
音楽を含めたすべての芸術の目的は、生きる意味を探し求めることに他なりません。音楽やアートを楽しむことは、想像を通してもう一つの人生を経験するということです。芸術を通して経験する二つ目の人生は、本来の人生をより豊かに、より楽しいものにしてくれることでしょう。ーイェール大学教授 クレイグ・ライト