パン屋さんのマーケティング③/「売れるパン屋さん」を考えるマーケティング思考入門:「顧客単価」を上げる工夫

今回は「マーケティング思考」について、前回に引き続き「パン屋さん」をもとにマーケティング初心者の方へ向けて書いてみます。

パン屋さんのマーケティングといっても店舗によってやり方は全て違うので、「これさえやればうまく」という正解はありません。

「マーケティングの考え方」の参考としてお考えください。

それでは、さっそく始めます。

前回の記事はこちら↓

【「顧客単価」を上げる工夫】

パン屋さんに限らず、売り上げを上げる方法は3つしかありません。

①顧客数アップ

②顧客単価アップ

③リピート回数アップ

『売り上げ=顧客数×顧客単価×リピート回数ですね。

「顧客数アップ」のためには、「ここでしか買えないオンリーワン商品」「選ばれる理由」を作ったり、宣伝や口コミなどで新規のお客さんを増やすわけです。

そして一度来てくれた人の「顧客単価アップ」のためには、別の工夫が必要です。

顧客単価を上げる方法は、

◆「商品をいくつも買ってもらう」

◆「高い商品を買ってもらう」

の2つです。

「商品をいくつも買ってもらう」ことでいえば、1人のお客さんから300円のパンを1個より、5個買ってもらったほうが売り上げは上がります。

そのために、たとえば「5個で100円引き」「5個でポイントカードに5ポイント」「5個以上ならコーヒー無料」などとしてもいいかもしれません。ただし、安易な値下げにならないように計算は必要です。

パン1個1個の価格がそれほど大きく変わらないのであれば、ポイントカードは○円ごとに1ポイントとするより、「パン1個で1ポイント」とした方がどんどん前に進む感覚を得られて良いでしょう。

心理学の研究によると、人間のモチベーションに最も影響を与えるのは「前に進んでいる感覚」です。

勉強でもビジネスでもそうですが、人は自分の行動によって少しでもゴールに近づいている、前進しているという感覚を得られるとモチベーションが高まりその後の行動が促されるようになるのです。

この心理をうまく突くようにポイント制度を調整すると良いですね。

【「パン」を通して「パン以外」を売ってみる】

また、いくつも買ってもらうのは別にパンである必要はなく、パンに合うバター、ジャム、はちみつ、サラダ、ナッツ、コーヒー、紅茶なんかでもいいですね。

あるいは、マグカップ、お皿、テーブルクロス、バターケース、バターナイフなどの雑貨があっても良いですね。

「パンを売る」というよりも、「パンを楽しむライフスタイルを売る」と考えるとまだまだアイディアは出るでしょう。

【「モノ」ではなく「体験」を売ってみる】

また「高い商品を買ってもらう」ことを考えた場合、仮に高級食パンを作ったとしても数千円ほどまで高価格にはできないでしょう。

でもパンという「モノ」ではなく、パン通して「体験」を売ると考えると高額化は可能です。

たとえば週に1〜2回お店を休み、あるいは半休にして、パン作り教室、ピザ作り教室、ジャム作り教室、パンに合うコーヒー教室、パンに合うビーフシチュー、チーズやワイン講座、パンケーキ、料理教室(サンドイッチ、ハンバーガー、子どものお弁当など)を開くこともできるでしょう。

これなら一回数千円、あるいは月額数千円のサブスクリプションモデルも可能です。お客さんとのコミュニケーションもとれるので、お客さんを知ることもできるしファンを増やすことにもつながりますね。

いまは一時的に人が集まるのは大変な時期ですが、可能性の一つとしてはありですね。

【お客さんは変化する】

いろんな手段を使って「お客さんを知る」ことは、どんなビジネスにおいても大切です。お客さんは毎日変化し続けているのです。

当たり前ですが、いま5歳の子がいたとして、1年後も5歳ではありません。1年後には6歳になり、5年後には10歳、10年後には15歳になるのです。

人は必ず変化します。年齢の変化に限らず、好みも変われば、世の中の状況によっても人の行動は変わります。

子どもに人気のパン屋で一時的に成功できたとしても、もし商圏に対象年齢の子どもが減ったり、子どもが減らなくとも環境の変化で人の行動が変わったりすれば成功を維持し続けることはできなくなってしまいます。

だからこそ、ビジネスを維持するには「お客さんを知る」だけでなく「お客さんを知り続ける」ことが大切なのです。

変化に対応できなくなるとビジネスは確実に失速します。

変化をいち早く察知するためにもお客さんとのコミュニケーションが大切なのです。

ただパンを売って終わりではなく、積極的にアンケートをとったり、教室を開いて会話したりすることでよりお客さんを知ることができますね。

お客さんを知るアンケートについて↓

お客さんを知ることが、一発屋で終わらずビジネスを継続するための強力な土台を作るのです。

 

ぜひビジネスの参考にして見てくださいね。

ありがとうございました。

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