前回までのブログではこの世界は「一様」であることを見てきました。
今回は20世紀最大の物理学者の一人であるアインシュタインの公式と、仏陀が作った般若心経の中心となる「色即是空」の意味について見ていきます。
違う二人が違うことを言っているようですが、世界は一様だからこそ実は同じことを言っているのです。
E=mc2
アルバート・アインシュタインは宇宙の謎を解き明かした相対性理論などで知られていますね。
彼の業績中でもE=mc2という公式がこの世界の仕組みを知る上で驚きでした。
ここで「E」 とはエネルギーのことです。
エネルギーには、光、熱、電気、力学的エネルギーなどがあります。ものを動かしたり、光や熱や電気を発生させたりする力のことですね。
そして、「m (質量)」× 「c(光の速度)」です。
E=mc2 の式が意味しているのは、
「エネルギー(E)と質量(m)は変換可能である」
ということですね。
「有形」と「無形」が入れ替えられる
たとえば、目の前の何もない空間から突然コップが現れたり、目の前にあったコップが突然消えたりすることはありません。
しかし、この式はその常識を覆しているんです。
コップほどの大きなものではありませんが、原子のような小さなもので見た場合、その質量が消えてエネルギーに変換されたり、逆にエネルギーを集めると質量を持つ物体が現れたりするということを式は示しています。
形のない「エネルギー」と、形や質量を持つ「物体」は=(イコール)で結ばれる同じものである、ということなんです。
つまり、E=mc2という式は、この世界にある形のあるものも形のないものも、すべて同じものだという世界の「一様性」を示しているわけですね。
色即是空
「色即是空」という言葉は、仏陀が般若心経のなかで使った言葉です。
元はサンスクリット語で書かれていましたが、それを漢字に翻訳した言葉ですね。
この「色即是空」という言葉は、「色」は即ちこれ「空」である、ということです。
「色」というのは身体を含むすべての物理的現象のことであり、「空」というのは何もない「無」の状態を指しています。
つまり、形のある「色・物体」と形のない「空・無」はイコールである、ということですね。
「色」=「空」という公式でも表せます。
現に素粒子レベルで見た場合、人や動植物の身体を作っている材料と、機械やビルや大地や空気を作っている材料は同じものです。
ただその材料の濃いところと薄いところがあるだけで、物と物の間のどこにも境界線はありません。ただ「世界はグラデーションに満ちた一枚の布である」わけですね。
世界はシンプル
境界線というのは、ただあるように見えるだけです。実際には全て同じ材料でできていて、濃い薄いの違いがあるだけです。
世界の全ては一体であり、どこにも境目はないのです。
ものが「在る」とか「無い」とかいうのも人にそう見えているだけであり、実際にはこの世界には全てが在る、あるいは一枚の布以外何も無い、とも言えるのです。
仏陀は2千年以上も前に、この世界の本質に気がついていたわけですね。
アインシュタインも仏陀も、違う時代に、違う人が、違う方法で世界を読み解いて、違う言葉で表現しました。
しかし、出した結論は同じなのです。世界って案外シンプルなものなんですね。